現役パーソナルトレーナーが最大13kg太った後のダイエット中に感じていること
「ダイエットって大変…」
パーソナルトレーナーとして何人ものお客様に指導をしてきて、今ほどこの言葉を強く感じ、ダイエットに取り組まれているお客様に尊敬の念を持ったのは初めてです。
僕は自分自身で本格的なダイエットをするために、最大で13kg太りました。
コンテストに出るようなマッチョな方と違い、筋肉ではなくほとんど純粋に脂肪だけを増やした感じです。
なぜ、そのような暴挙に出たのか?
今、ダイエットをしながらどんなことを考えているのか?
今回はもしかするとあなたのお役には立たないかもしれませんが、そんなことを書いていこうと思います。
太ることを始めた経緯
お客様のある一言
「佐竹さんも太ってみればわかりますよ。」
立て続けに別々のお客様から、同じようなことを言われました。
それぞれ、話していた内容は違っており、お一人はお食事の準備のことについて、もうお一人は日々の生活の中でのカラダを動かすことについてでした。
それでも、別々のお客様が言った同じ言葉が僕の胸の中にチクチクと残り、毎日寝る前や考え事をしているタイミングでその時のリアルな映像がフラッシュバックするようになったんです。
人生でダイエットを経験したことがない
それはなんでだったかというと、『ダイエット専門』を掲げている割には、これまでの僕の人生で本格的なダイエットというものを経験していなかったからなんです。
僕は、自分がどちらかというと太りやすい体質の人間だとは感じていました。
中学の部活でバスケットボールを始めてから数ヶ月間、練習中に太ももの内側がスレて痛くなってしまったので、痩せていた部類には入っていなかったと思います。
ですがそんな悩みも、週4・5回ある部活の練習で解消されました。学生時代はほぼ同じ流れの繰り返しです。
夏頃に部活動を引退。高校受験・大学受験の勉強を始めて入試〜入学くらいのタイミングで「やっぱり、ちょっと太ったな…」と実感する。
それも高校・大学に入学、また部活でバスケを始めて練習をしているうちに痩せて・締まってくる。
大学を卒業後は、スポーツクラブでアルバイト・派遣で引越しのお仕事でカラダを動かしていました。
スポーツクラブに入った当初は「ちょっとぽっちゃりしてるけど…インストラクター(お客様を指導するスタッフ)として大丈夫?」なんて言われていました。
しかしスタジオでレッスンなんかを受け持つようになると、いやでもカラダを動かすようになるわけです。半年も過ぎた頃には、仕事前後の自主トレと仕事としてカラダを動かしているうちにやっぱり痩せて・締まってきました。
そんな流れでここまできたものですから「太ったからダイエットして痩せよう」というわけではなく、太ってしまっても毎日を生きているだけで適正に戻っていくような感じでした。
今は、自分のスタジオでパーソナルトレーニングを指導していますが、自分のトレーニング回数や頻度・運動量は自分でコントロールができます。
「『太ってる人がなんか言っているわ』なんて適当にあしらって、このタイミングを逃したら、お客様の気持ちをちゃんと理解できないままだ!」
そう思った時には、どんどん頭の中に太るための計画が立っていました。
『計画』なんていえば聞こえはいいですが、ハッキリ言って怠惰な生活習慣を始めただけです。
具体的には
- 自炊よりも外食・買い食の割合をかなり増やした
- 甘いもの・清涼飲料水をよく食べる・飲むようにした
- 自分の時間で一番多い姿勢を『横になる・寝そべる』にした
- トレーニングの頻度を約半分に減らした
こんな感じでしょうか?
始めのうちは結構苦しかったんですよ。
甘いものとか、そこまで頻繁に食べることがなかったので、ちょっと気持ち悪くなったり…。
それでも恐ろしいもので1、2ヶ月もすると、そこまで苦ではなくなり「こっちの方がやっぱり『ラク』なんだよな」と感じるようにまでなっていました。
誰しも
- 食事は作るより買った方がラク
- 甘いものを食べたり・飲んだりしたい
- 姿勢良く椅子に座るより、ソファやベットに寝そべってた方がラク
- トレーニングなんて少ないに越したことはない
そう思っているのではないでしょうか?
いつの間にか、僕もそうなってしまっていました。
気づけば3ヶ月ほどで6kg、7kgと体重(ほぼ体脂肪)が増えていました。
「増え続けることには際限はないのでは?」と若干不安を感じ始めた時に、現在の僕の父と同じ体重が近づいてきたので、そこを目標としました。
「このままじゃさすがにヤバい!」という本能的なブレーキがかかったのか、後半は体重が増えるペースがガクッと落ち、残りの1kgを増やすのに2ヶ月もかかってしまいました。
画像は父の体重まであと約1kgまで迫った時です。
ここからが長かった…
ちょうどキリよく、年末で目標に到達したので、年始からは実験の意味を込めながらダイエットをスタートしたという経緯です。
自分は太る才能があった
画像の父を見ていただければわかるように、ダイエットにも『遺伝』が関係あるということを信じるのであれば、僕はどちらかといえば太りやすい体質なんだと思います。
そして世の中には「ガリガリで何をしても太れなくて困っている」という人もいるわけですが、僕は見事に太る才能があったわけです。
太るのをスタートした始めのうちこそ「太るって大変なんじゃ?」と思ったこともありましたが、悪習慣(僕にとっては)は思ったよりも早く身についてしまい「こっちの方がラク」と感じるようにまでなってしまいました。
これはかなりの衝撃でした。
自分のスタジオを持ち、個人でパーソナルトレーナーとして働いている以上、毎日四六時中一緒にいる仕事仲間みたいな存在はいないのですが、そんな存在がいて、僕の変わっていく姿を見たら驚くに違いありません。
それくらい、ラクをするという、言ってみればダイエットと反対の習慣は身に付いてしまうのが早いことを実感しました。
知識をいくら持っていてもカラダは変わらない
ダイエットをスタートしてから、4ヶ月が経過した頃。
ダイエットのあれやこれやについて色々と検証したいこともあるので、純粋に「早く痩せよう」と思っているわけではないのですが、それでも「こんなに成果が出ないものか」と驚いています。
ちなみに、検証したいことの一つは『有酸素運動を増やせば』で痩せるのかどうか。
そのため、約4ヶ月は食事の内容はあまり改善せずに、とにかくカラダを動かす時間を増やしてみました。
パソコン作業をする時や動画教材などで学ぶ時は、ウォーキングマシンやバイクチェアを使って、1日平均で4km(約1時間)以上歩くのは当たり前になっていました。
…が、本当に!マジで!有酸素運動を増やしても脂肪は減りませんでした。やっぱりダイエットは食事の改善なんです。
これも頭では理解していることでしたが、経験しないと実感できないことでした。
その食事の改善も本当に大変。
外食や買い食でラクをする習慣が身についてしまって、自炊が億劫で仕方ないんです。男性の中では、比較的料理が好きな自負がありますが、まぁやりたくない。
冷凍ご飯のストックがなく「炊かなきゃいけないのか…」と思ったら、コンビニに足が向いてしまっていることもよくありました。
お客様に成果を出していただけているダイエットについての専門知識を大量に持っている、パーソナルトレーナーであるはずの僕が、自分の行動を変えるのにとても苦労しました、今も苦労しています。
行動が変わらなければ、もちろん結果が変わるはずはありません。
知識をいくら持っていても、結果は伴いません。行動を変えるための工夫をしなければいけません。
ダイエットの知識を溢れるほど溜め込んではいませんか?経験上、その知識の8割はいらないものです。残りの2割の知識を確実に実践できる工夫をする方がはるかに結果に繋がると思います。
お食事の指導をした時に言われた「佐竹さんも太ってみればわかりますよ」の意味が今、ハッキリとわかります。Mさん、Yさん、本当にありがとうございます。
何よりも大切なのは環境
これだけ太る才能があった僕が、どうしてこれまでの人生でダイエットについて悩まなかったのかと言えば、これまで過ごしてきた環境(状況とも言えます)のおかげだと断言できます。
学生時代の部活や、スポーツクラブでのレッスンをはじめとした運動と密接した日常。
この環境こそが、僕を太りやすい才能から守ってくれていたんだと確信できました。
例えばモデルさんがスタイルのがいいのは「遺伝だから」と思う人が多いでしょう。確かに遺伝の関係もあるのかもしれません。
ですが、詳しい裏話を聞いてみると、モデルのお仕事の契約書には「このサイズのパンツがはけなくなったら、契約を解除とする」というような内容の、厳しい契約が交わされていることもあるようです。
契約解除されたら、当然モデルとしての収入がなくなり生活できなくなってしまいます。そのため、並並ならぬ努力をされている方も多いんだと聞きます。
これも「痩せなければ生活ができない」という『環境』のひとつですよね。
好きで、やりたくてダイエットをする人なんて僕の知る限りいません。『できればやりたくない』ことのオンパレードです。
そんな行動にモチベーションが湧かないのは当然のこと。ですが、行動しなければ結果が変わることはありません。
ですから「行動せざるを得ない・行動しないとマズい」と思ってしまう環境を用意することが大切、というかこの環境がダイエット成功の鍵なんだと確信しています。
ダイエットは正直楽しくない
「成果を出すためには『ダイエットを楽しんでしまう』のが一番です!」
こんな投稿をされているトレーナーさんがいました。
ごめんなさい…。先に謝っておきますが、読んでいてすごくイライラしました。
さすがにこれは綺麗事すぎます。僕は現状、ダイエットは楽しくありません。
正確にいうなら、ダイエットで得られた『痩せた』という成果は、嬉しいし楽しいかもしれません。ですが、そのための日々の努力・行動は決して楽しいものではありません。
こういうことが言えてしまうのは「トレーニングが!運動が!カラダを動かすのがとっても楽しい!」と本気で思っている、トレーニングが大好きで、運動が大好きなトレーナーあるあるだと思います。
現在通ってくださっているお客様にも「毎週来てくださってますが、正直トレーニングって楽しいですか?」と聞いてみました。
「いやー…できればやりたくないですよね笑。あ!佐竹さんとのトレーニングの時間は楽しいんですけど!
ひとりでもやりたいかと言われたら…『NO』だと思います。必要なことなのでやるとは思うんですけど…正直、自信はないですよね苦笑」
こう思っている方がほとんどだと思いますし、僕も今はそう思います。僕は元からトレーニングがそこまで好きじゃないんですけどね笑
必要だから、仕方なくやる。毎日の歯磨きと同じ感覚です、そこに『楽しい!』の感情は必ずしもいらないと思うんです。
「ダイエットのための運動やトレーニング、楽しくなってきちゃった!」
そんな声がお客様側から出てくるのはOKだと思いますし、こんなに喜ばしいことはありません。
ですが、トレーナー側から「ダイエットを楽しんでしまいましょう!」みたいなのは、はっきり言って押し付けがましいですよね。
「楽しめるなら、今悩んでないんだわ!!」と。
元々は楽しくないダイエットやトレーニングが、ちょっとでも楽しく…いえ、せめて僕とのトレーニングの時間だけでも楽しく思っていただけるように、これからも日々色んな面から自分を磨いていきたいと思っています。
まとめ
以上が、約6ヶ月太る努力をして、その後の約5ヶ月間人生初のダイエットに取り組んでいるパーソナルトレーナーが感じていることです。
太ることには、正直デメリットしか感じていません。
それでも『お客様の気持ちに一歩でも近づけた』と考えれば、得たものもあります。
これからの指導ひとつひとつでお客様の気持ちから考えながら提案をできるよう、今のダイエット中というお客様と同じ視点を忘れないよう、日々取り組んでいこうと思います。
引き続きダイエットにも取り組んでいきますので、気づいたことはまた記事にしたりSNSに投稿したりしていきますね。
最後までお読みいただきありがとうございます。